
・メタバースって何のこと?
・仮想通貨やNFTとの関係は?
・Facebookが社名をMetaに変更した意味は?
最近一気に注目度が増している「メタバース」について、図解を用いて解説します。
メタバースとは?定義や語源を解説
メタバースとはソーシャルメディア、オンラインゲーム、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、暗号通貨などの要素を組み合わせてユーザーが仮想的に交流できるデジタルリアリティのことです。
- 拡張現実(AR):スマホやメガネなどを用いて現実世界に視覚的要素、音声、その他の感覚的入力を重ね合わせるもの。
- 仮想現実(VR):完全に仮想的な世界。現状の技術ではヘッドセットデバイスが必要。
Facebookが発表したメタバースでの会議のイメージ


メタバースの語源
メタバースを最初に提唱したのはSF作家のニール・スティーヴンスン。1992年に著作「スノウ・クラッシュ」の中で提唱しされました。
メタバースはメタ(Meta)とユニバース(Universe)を組み合わせた造語です。
- メタ(Meta):高次の、超える
- ユニバース(Universe):宇宙
つまり、人類が生活する宇宙を超える概念としてメタバースという言葉が生まれました。
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メタバースが注目を集めるのは2度目
2007年にも一度、メタバースという概念が注目を集めたことがあります。
当時、「セカンドライフ」という3DCGで構成されたインターネット上に存在する仮想世界が話題になりました。
しかしその後facebook、Twitter、YouTubeなどの人気が一気に高まったことによって、そのブームは一過性のものとなりました。
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メタバースの市場規模予測と注目される理由
メタバースの市場規模
調査会社EMERGEN Research社が2021年11月に発表した情報によると、2020年のメタバースの世界市場規模は約470億米ドル。
その市場規模は今後前年比約43%ずつ成長していき、2028年には約8,290億米ドル。日本円にして約95兆円の市場になると予測されています。
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メタバースが注目される理由
メタバースが注目される理由は3つです。
- 通信環境やパソコン性能の向上と3DCG技術の進化
- ブロックチェーン技術の発展と仮想通貨やNFTの浸透
- コロナ禍の新しいコミュニケーション方法
通信環境やパソコン性能の向上と3DCG技術の進化
近年、5Gなどに代表される通信環境の改善によってリアルタイムでオンライン接続できる環境が全世界で整ってきました。
また、パソコン性能や3DCG技術の進歩によってユーザーのストレスもかからない仮想世界が実現しつつあります。
ブロックチェーン技術の発展と仮想通貨やNFTの浸透
ブロックチェーン技術の発達によって仮想通貨やNFTが一般利用されるようになってきたことも、メタバースを注目させる要因です。
- 仮想通貨:インターネット上でやりとりできる財産的価値。暗号通貨。
- NFT(Non Fungible Token):データの所有権といったデジタル世界における権利を記録することができるデジタル資産。非代替性トークン。
メタバース内での金銭のやり取りには仮想通貨が使われ、データや権利の所有権はNFTで価値付されます。
メタバース内での経済活動も信用力のある技術が使われることによって、不正を防止し多くの人が安心して使える仮想世界が実現しようとしています。
コロナ禍の新しいコミュニケーション方法
コロナ禍でリモートワークやテレワークが推進され、メタバースに影響を与えました。
Facebookが発表した「ホライズン・ワークルーム」では、VR空間内でほかのユーザーと会議したり、付属のコントローラーを使用してホワイトボードに書き込んだりして情報共有ができます。
従来のビデオ会議より現実に近い体験を提供することで、円滑なコミュニケーションを図ります。
このように、新しいコミュニケーション手段としてメタバースを利用する動きがあります。
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Facebookが社名を「Meta」に変更
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2021年10月29日、Facebookの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグは社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表しました。
SNSとしてのFacebookの名称はそのまま継続し、それらを提供する企業名が「Meta」に変更になります。
新しいブランド名「Meta」は、これからメタバースに注力する姿勢を示したものです。
メタバースの特徴
これからのメタバースの特徴は主に3つあります。
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国や住まいなどの外的要因にとらわれない
メタバースには現実世界のような距離がなく、例えばアメリカと日本のユーザーでも同じ仮想空間にいつでもアクセスできます。
現実世界のように国境や土地、政治、人種などの制約を受けず自由に活動できるのがメタバースの特徴です。
そのため、資本力や活動時間といった原因以外で格差が生まれることがありません。
アバターを自由に作成できるため、肌や瞳、髪の色も自由に変更でき生まれつきの外見にも左右されません。
世界中のユーザーが同一条件で、自由にコミュニケーションやマネタイズを楽しめます。
非日常的な体験が得られる
メタバースではバーチャルオフィスのように現実に近い活動も行えますが、仮想空間であることを活かして非現実的な体験をすることも可能です。
「空を飛んで街を見下ろす」「高速移動する」「日本サーバーからアメリカサーバーに観光する」なども可能でしょう。
このような非日常体験もメタバースの特徴の1つです。
NFTの土地・アイテムをマネタイズ
これまでのメタバースはアイテムのコピーが簡単にできたりサービス終了後はアイテムが手元に残らなかったり、あくまで「ゲーム」としての要素が強いものでした。
しかし、ブロックチェーン技術を採用したメタバースでは、土地やアイテムをNFT化して現実世界と同じように資産化できます。
資産化したアイテムや土地は売ったり、運用して利益を上げたりすることが可能です。
メタバース内の経済活動やコミュニティが現実世界の生活にも影響を与える可能性が出てきています。
メタバースとブロックチェーン技術
これまで解説の通り、メタバースは仮想通貨やNFTを実現するブロックチェーン技術の発展とともにあります。
ブロックチェーン技術の特徴は「改ざんが困難」「システムダウンしない」「取引記録は削除不可」「自律分散システム」の4つです。
メタバースにブロックチェーン技術が採用される必然性を解説します。
演算処理を分散
メタバースは常時ライブ状態で、空間的に限りがなく、アクセスする人数も無制限です。
それだけに膨大なリソースを必要としますが、ブロックチェーン技術は処理作業の分散に適しています。
経済圏の発展を促進
リリース直後のインターネットサービスはユーザーが集まりにくいのが難点です。
しかしメタバースでは「初期段階に大きなインセンティブを用意する」というブロックチェーン技術の思想を取り入れることで、ユーザーの多くない初期段階でも経済を発展させやすくなります。
アバターやアイテムを自由に売買
ブロックチェーン技術を使わないメタバースでは、デジタル通貨やアイテムの所有権は運営にありました。
しかし、ブロックチェーン技術で仮想通貨やNFTを利用することで、運営を通さないユーザー同士売買が成立します。
こうしてメタバースでは独自の経済圏が作り上げられます。
スマートコントラクトでデータの信頼性を担保
スマートコントラクトは契約行動の自動実行を試みる仕組みで、一定条件下で契約を成立させたり、不正を検知したりします。
スマートコントラクトの仕組みによって、運営を通さずに安心して取引ができるようになります。
注目のメタバース関連サービス
ここからは、注目のメタバースサービスについて解説します。
Metaに社名変更したfacebookの動きはもちろん重要ですが、それ以外にも以下のような注目サービスがあります。
The Sandbox(ザ・サンドボックス)
The Sandboxはイーサリアムブロックチェーンを利用したメタバースで、NFTゲームというジャンルにあたります。
全世界で4,000万ダウンロードされており、月間アクティブユーザーは100万人に達します。
Decentraland(ディセントラランド)
Decentralandは2015年にリリースされた、イーサリアムを基盤にしたメタバースのプラットフォームです。
仕組みはThe Sandboxに似ていますが、Decentralandはより滑らかなCGで作られています。
MANAと呼ばれる仮想通貨を使ってアイテムを売買したり、アプリケーションを作ってマネタイズしたり、LANDと呼ばれる仮想の土地を購入したりできます。
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