2022年2月にマザーズ上場する家事代行サービスCasy(カジー)について、図解を用いてシンプルに解説します。
記事の後半では同社の成長可能性について言及しています。当サイトBIZ GROWの独自見解ですので、その正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではありません。また、投資勧誘を目的に作成しているものではありません。
Casy(カジー)のミッション
Casyは【大切なことを、大切にできる時間を創る】をミッションに、主に家事代行サービスを運営しています。
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Casy(カジー)の提供する価値
Casyは主に個人(ファミリー、単身)に対して、家事をする時間がとれない課題を家事代行スタッフとの最適なマッチングを行うプラットフォームの提供を行うことで解決を図っています。
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Casy(カジー)のビジネスモデル
Casyが提供するのは家事代行を利用したい人と家事代行スタッフとのマッチングプラットフォーム。
スマホアプリやWEBで簡単に家事代行を依頼できることで既存の家事代行サービスを代替しようとしています。
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Casyの年収や従業員数
Casyの従業員数は26人と少数で運営している会社。
公表されている平均年収は488万円と、昨今マザーズに上場する会社の中では低い数字です。
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Casyの業績推移
Casyの直近の売上高は9.7億円。
コロナ禍でも順調に売上を伸ばしてきています。
プラットフォーム事業ということもあり投資が必要な事業で、赤字上場は昨今では珍しくありません。
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Casy(カジー)の今後の成長可能性を予測
Casy(カジー)の成長可能性を見ていきましょう。
※ あくまでBIZ GROWの独自見解のため、正確性、完全性もしくは妥当性について保証するものではありません。また、投資を勧誘するものでもありません。参考情報としてご参照ください。
まず前提として、この業績規模で上場に至るのは正直驚きでした。
VC(ベンチャーキャピタル)からの上場圧力があったのでしょう。
プラットフォーム事業とはいえ家事代行スタッフの供給量に売上規模が制限されるため急激な拡大は見込めず、かつ資金調達量も多くないため今後の成長可能性については不透明な要素が大きいと言えます。
その前提を踏まえた上で、市場の拡がりと競争優位性の確保という2つの側面から成長可能性を見ていきます。
成長可能性① 市場規模の拡大
マクロ環境的には、家事代行サービスの市場は今後も伸びていくでしょう。
共働きなどで家事代行に頼らざるを得ない家庭に端を発した市場拡大の動きは、「家事代行、別に使ってもいいよね」といったイメージの醸成なども相まって切羽詰まってなくても使いたいサービスになってきたのではないでしょうか。
また、家事代行サービスの最大手のダスキンはこのサービスだけで年間1,000億円の売上を抱えています。
スマホアプリやWEBを主戦場とすることによるUIUXでの差別化とオペレーションのデジタル活用によってこの市場をある程度取っていけるとも考えられます。
成長可能性② 競争優位性の確保
一方、気になるのは競争優位性の確保。
競合としてはベアーズ、タスカジなど新興で成長している会社も複数ありますし、キッズラインのように元々家事代行に力を入れていなかった会社も家事代行を前面に押し出すようになってきています。
家事代行サービスは粘着性の高いサービスとは言えません。つまり、一度特定のサービスを使っても他のサービスに簡単に移れてしまうということ。
この点、Casyは新規上場申請のための有価証券報告書で定期UU数(定期利用顧客の数)に言及しこの売上がストックとして積み上がっていくものであると強調しています。


SaaSのようにARR(Annual Recurring Revenue)で表現され、2021年では11億円のストック収益があると記載。
2020年の売上高が9億円なので、一見大部分がストック収益のよさそうな数字にも見えます。
しかし、月次定期解約率は3%。つまり年間では36%の顧客が解約するということ。
3分の1は解約するということで、本当に安定的なストック収益と言えるか?はもう少し様子を見たほうがよいでしょう。
(※一般的なSaaSビジネスの場合、月次解約率1%台で及第点と言われています)
やはり今後も新規ユーザーをマーケティングコストをかけていかに獲得していけるかが勝負となりそうです。
その顧客獲得競争に打ち勝てるか。
他社は資金調達実績をあまり公開していないため一概には言えませんが、安定的な成長を確保するには超えるべき壁がいくつもありそうです。
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