【2022年版】バックオフィスのDXで業務改善・効率化!進め方を徹底解説

バックオフィスDX

いよいよ進んできた企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)。

一方、まだ手を付けられていない、何から始めればいいか分からない経営者や現場責任者の方は多いのではないでしょうか。

そんな企業には、バックオフィス業務のDX化からはじめることをおすすめします。

この記事では、

  • 人手不足で悩んでいる。業務効率化したい。
  • DXにまだ手を付けられていない。
  • なにから始めればいいか分からない。

経営者や現場責任者のこんな悩みにお答えします。

目次

バックオフィス業務とは?DXの前提を確認

そもそもバックオフィスとは何でしょうか?前提の確認からはじめます。

フロントオフィス・バックオフィスという分け方

企業の業務は一般的にフロント業務とバック業務に分けられます。

マーケティングや営業、顧客対応など、売上に直接関わる業務がフロントオフィス業務。

経理や人事など、売上に直接的に関わらない管理部門をバックオフィス業務と呼びます。

フロント業務の例
  • マーケティング
  • 営業
  • 販売管理
  • アフターサポート
バック業務の例
  • 経理・財務
  • 人事・労務
  • 法務
  • 総務

このフロントオフィスとバックオフィスから成り立つ企業の中で、経営上の意思決定をするのが経営者の仕事。

すべてを図示化すると次のようになります。

企業の業務分解

バックオフィス業務の種類

ここからは、バックオフィス業務の種類について解説します。

1:経理・財務

経理業務は会社のお金の流れを把握・記録し、決算書などの必要書類の作成を行う部門です。

日々の業務としては伝票への起票や入出金管理、経費精算、帳簿記帳、税金申告などがあります。

一方、財務は資金調達や予算管理など、将来的なお金の使い方を管理する部門です。

企業では経理業務と財務業務が同じ部門で行われていることが一般的です。

2:人事・労務

人事・労務は名前の通り人の管理に関わる業務です。

一般的に「人事」は社員の採用や教育、人事評価を担う業務で、「労務」は入退社手続きや給与計算、勤怠管理、福利厚生などを担う業務です。

3:法務・総務

法務は企業活動に関連する法令全般を担う業務です。

他社と結ぶ契約の文言チェックや取引先の管理、権利関係の確認などを担う業務です。

総務は物品管理や文書管理など、どの業務にも属さない業務を一手に引き受ける部門です。

バックオフィス業務の種類

DX化で取り組みやすいのがバックオフィス業務

企業がDX化を進めるときに、実は一番手を付けやすいのがバックオフィス業務。

フロント業務は業界や企業ごとにその業務プロセスが大きく異なるため、一概に「こうすればよい」という答えはありません。

一方、バックオフィスの業務は業界や企業が異なっても比較的そのプロセスや内容は同一。

特に企業では、ある程度一般化して成功するための進め方がお伝えできます。

バックオフィスのDXで得られるメリット4選

ここからは、バックオフィスのDX化によって企業が得られるメリットを4つ紹介します。

バックオフィスDXのメリット

メリット1:業務効率化で人手不足を解消できる

バックオフィスをDX化する一番のメリットはなんと言っても業務効率化。

多くの企業の課題である「人材不足」も、業務効率化によって解決できます。

従来、紙やExcelで行われている業務はどうしても業務の重複が発生してしまいます。

関係者が使うシステムやマスターデータを一元化することによって業務の重複をなくし、効率化を実現することが可能です。

メリット2:コストを削減できる

次に、コストを削減できることもバックオフィスDX化のメリット。

例えば、大量の紙を印刷するコピー代や紙の費用。その紙を保存しておくための場所代。

これらはペーパーレスを実現することによって大きく削減できます。

2022年1月から施行される改正電子帳簿保存法は、ペーパーレスを実現するための追い風。

あるいは、適切に従業員の業務実態を把握できていないことによる残業代の払いすぎ。

勤務時間と成果との関係などをシステムで可視化したりすることによって、従業員の働きぶりをより正確に評価できます。

メリット3:従業員の満足度が上がる

バックオフィスのDX化を進めると、従業員の満足度も向上します。

なぜなら、働き方の柔軟性が上がるからです。

デジタルを活用すれば、働く場所を選ばずにバックオフィス業務をすることも可能です。

重複作業などの無駄な業務も削減することによって、従業員の働く時間そのものも短くすることが期待できます。

メリット4:経営状態をリアルタイムに可視化できる

企業経営を安定化させ、さらに成長させるために必要なのが意思決定のスピード。

例えば、これまでは決算締め後2ヶ月後にしかわからなかった決算データが、バックオフィスのDX化によって締め後すぐに確認できるようになります。

「あの資料つくっておいて」

「このデータ出して」

バックオフィスのDX化によって、経営者はなかなか情報が上がってこないイライラから、従業員はそんな経営者からのプレッシャーから解放されます。

バックオフィス業務DX化の進め方

それでは、バックオフィスのDX化はどのように実現すればよいのでしょう。

成功確率が高い進め方を4ステップで解説します。

バックオフィスDXの進め方

ステップ1:既存の業務フローを洗い出す

DXで避けるべきは、いきなりツールの選定から入ること。

バックオフィスDXの目的はツールの導入ではなく、あくまで業務の効率化やデータの可視化です。

まずやるべきは、各分野の既存の業務フローを洗い出すこと。

業務フロー洗い出しのポイント
  • 業務を細分化して洗い出し
  • 業務の流れを意識して、時系列で可視化
  • 「誰が」「何を使って」「どんな業務をしているか」を確認
  • 経営者や責任者の想像ではなく、実際に現場担当者にインタビューをして明確にする

このプロセスを経ることで、少なからず業務の重複など非効率な部分が見えてくるはずです。

ステップ2:理想の姿を可視化して共有する

次にやるべきは、理想の姿を明確にすること。

「請求書の管理は営業事務と経理で作業が重複してるから、同じシステムで完結するようにした方がいい」

とか、

「経理から営業に入金の確認をしないようにしたい」

など、このステップでも現場担当者の声をよく聞いて理想の姿を明確にしましょう。

ステップ3:各分野の最適なツールを選ぶ

ここまでできたらいよいよツールの選定です。

自社の業界特性や会社規模を踏まえて、最適なツールを選ぶようにしましょう。

ツールの選び方については次章で詳しく解説します。

ステップ4:業務をツールに合わせて変える

ツールを導入して終わりではありません。

逆に、ここからが始まりと言っても過言はないです。

バックオフィスDXの大きなポイントは、「ツールに業務を合わせる」という概念。

この後の章で解説しますが、企業のバックオフィスDXで導入するツールはSaaSが中心になります。

SaaSはパッケージ型で自社の業務フローに合わせてカスタマイズがされない前提で提供されます。

よって、従業員に根気強く業務を変えてもらうというプロセスが必要になります。

バックオフィスDX化ツールの選定方法

それではこの章では、バックオフィスDXを実現するためのツールの選び方について解説します。

ポイントは大きく4つ。

  1. SaaSを選ぶ
  2. 連携性を重視
  3. 使いやすさ
  4. セキュリティ

1つずつ解説していきます。

ツールの選び方

ポイント1:SaaSツールを選ぶ

まず、バックオフィス業務のツールは迷わずSaaSを使うことをおすすめします。

SaaSとはSoftware as a Serviceの略称で、ソフトウェアをインストールするのではなく月額/年額で使い続けるという概念のパッケージ。

SaaSについては【準備中】をご参照ください。

これからの時代、企業のバックオフィス業務はSaaSの導入が基本になります。

ここからはSaaSを前提として、その中でどういったSaaSを導入するのかといったポイントをお伝えします。

ポイント2:連携のしやすさ

バックオフィス業務のSaaS導入で重視すべきは、データ連携のしやすさ。

先述したようにバックオフィス業務と言っても経理や人事、法務と言った分野があります。

また、営業などを管理するフロントシステムとバックオフィス業務との連携も欠かせません。

その分野間で連携がスムーズにできるかがSaaS導入のポイントとなります。

分野間の連携の例
  • 労務システムで入力した給与計算の結果が会計システムに自動的に反映される
  • 経費精算の承認者が人事システムの組織図と連動する
  • 営業管理システムで入力した請求書情報が会計システムと連携される

このように、各分野単独ではなく会社全体のシステムとの連動性も踏まえてツールを選定する必要があります。

データ連携の肝になるのは「API」。

APIについては【準備中】で解説していますのでこちらもご参照ください。

ポイント3:使いやすさ

現場の従業員にとっての使いやすさも当然大事なポイント。

ただしここで注意すべきは、「使いやすいツールでも最初は使いにくさを感じてしまう」こと。

何を言っているか分からないかもしれませんが、既存の業務に慣れた従業員ほど新しいツールへの抵抗感があります。

ひと昔前のシステムに慣れてしまっている従業員ほど、本当は使いやすいツールであっても「業務を変えること」自体に抵抗感を感じてしまうものです。

そうした事実を認識し、短期的な生産性の低下は覚悟した上で本当に最適なツールを導入する決意が必要です。

ポイント4:セキュリティ

セキュリティも見逃せないポイント。

ある程度実績のあるツールであれば問題ないことが多いですが、個人情報の保護やアクセス権など、セキュリティの観点からもしっかりと確認しましょう。

特に、データの第三者利用なども自社のデメリットにならないかチェックしましょう。

補助金や法制度の改正もバックオフィスDX化に追い風

政府としても企業のDX化を強く推し進めようとしています。

そのため、経営者や責任者は補助金施策や法制度の改正といった情報についても理解しておくとメリットがあります。

ここではバックオフィス業務のDX化に大きく関わる「電子帳簿保存法改正」と「補助金」について解説します。

2022年1月改正:電子帳簿保存法

2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されます。

この法律、端的に言えば「いままで捨てられなかった紙が捨てられるようになる」というもの。

詳細については【2022年1月施行】電子帳簿保存法改正を図解でわかりやすく解説をご参照ください。

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この記事を書いた人

某スタートアップの事業開発責任者。BIZGROW編集長。

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